「またトイレか……」。夜中に起きて、時計を見て、布団に戻る。朝になったら、何回起きたのか、何時だったのか、もう曖昧。
夜のトイレで困っていても、診察で聞かれるとうまく説明できないことがあります。そんなときに使えるのが、排尿日誌です。この記事では、書いておきたい項目と、相談へ持っていくメモをまとめました。
尿が出ない、強い下腹部痛があるときは、日誌を付けるより先に速やかに医療機関へ。 急な尿閉では緊急の対応が必要です。NIDDK:尿閉の症状と受診
「歳のせい」で話を終わらせない
日本泌尿器科学会は、夜間に排尿のため1回以上起きる症状を夜間頻尿としています。ただし、この定義だけで原因や治療の必要性が決まるわけではありません。
夜に作られる尿が多い場合、膀胱に尿をためにくい場合、睡眠の問題が関わる場合などがあり、対処は原因によって変わります。「男性だから前立腺」「水を飲んだから」と一つに決めつけないことが大切です。日本泌尿器科学会:夜間、何度も排尿で起きる
「1回なら相談してはいけない」ということでもありません。何回起きたかに加えて、眠り直せない、翌日の仕事で困るといったことも、そのまま相談の材料にしてください。
排尿日誌には、何を書けばいい?
基本は、排尿した時刻と尿の量です。夜だけでなく日中も記録します。日本泌尿器科学会は、朝から翌朝までの排尿時刻と測定した尿量を残す方法を紹介しています。医療機関から用紙や測り方の指示を受けている場合は、そちらに合わせてください。同学会の解説
飲んだ物・時刻・量、尿漏れや強い尿意なども記録の手がかりになります。米国NIDDKは、膀胱の問題を相談する前の2〜3日間の記録を案内しています。これは日誌が完成するまで受診を待つ、という意味ではありません。NIDDK:膀胱日誌を使った診断の準備
下の表は、相談の準備に使うための記録例です。医療機関の正式な用紙や診断の代わりではありません。
| 時刻 | 排尿量(mL) | 飲んだ物・量 | 気づいたこと |
|---|---|---|---|
| 時 分 | mL | 尿意、尿漏れ、痛みなど | |
| 時 分 | mL | ||
| 時 分 | mL |
併せて「寝床に入った時刻」「朝起きた時刻」「いつから困っているか」を書ける欄も作っておくと、説明をまとめやすくなります。
測れなかった量は、想像で埋めない
外出先では測れない。寝ぼけて時刻を忘れた。そんな欄は「未測定」「時刻不明」で構いません。あとからもっともらしい数字に直すより、何が分からないかを残します。
スマホに時刻だけを書いたメモも相談のきっかけにはなりますが、量まで測る排尿日誌と同じ情報にはなりません。必要な測定方法は、受診先で確認してください。
記録のために排尿を我慢したり、普段と違う飲み方をしたりする必要はありません。水分量や薬の調整が必要かどうかは、持病や治療の内容も含めて医療者に相談します。
受診に持っていく、短いメモ
日誌とは別に、次の空欄を埋めておくと、話し始めやすくなります。
- いつから:____ごろから。
- 夜の様子:__回ほど起きる。起きた後は____。
- 昼間の様子:回数、尿の出にくさ、痛みなど____。
- 生活で困ること:____。
- 飲んでいる薬・治療中の病気:____。お薬手帳も持参。
「夜のトイレで困っています。このメモを見てもらえますか」で十分です。相談先は泌尿器科やかかりつけ医が候補になります。
日誌で自分の病名を決める必要はありません。まずは「何となく困っている」を、伝えられる形にするところから。強い症状があれば記録より受診を優先し、そうでなくても困りごとが続くなら相談してください。
※一般的な健康情報です。個別の診断・治療を行うものではありません。出典確認:2026年9月26日。
